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コラム

七五三

神無月とは?10月の呼び名の意味と、恵比寿講・神嘗祭・紅葉の頃

10月の古い呼び名は「神無月」です。「神さまがいない月」と読める字ですが、ほかの説明もあると聞いたことがある方もいるでしょう。ここでは、国立国会図書館と国立天文台暦計算室の資料、神社本庁と気象庁の公式ページをもとに、神無月という呼び名の意味と、昔の10月の季節、この時期の恵比寿講や神嘗祭、紅葉の話題を整理します。各ページの内容は、2026年10月13日に確かめました。

神無月の読みと意味

国立天文台暦計算室の一覧では、十月の和名が神無月で、読みは「かみなづき」と「かんなづき」、別名に「孟冬」が挙がっています。昔の暦では、十月が冬の最初の月でした。名前の由来は一つに決まっておらず、国立国会図書館の電子展示会「日本の暦」は、代表的な説を紹介しています。それによると、神無月の「無」は「の」を表す字で、もとは「神の月」という意味だとされます。同じ表では、6月の水無月も「無」を「の」と読み、水の月、つまり田に水を引く月の意味と説明されています。一方で、全国の神々が出雲大社に集まるため、各地では神さまが留守になる月だという説もあると添えられています。どちらの説が正しいと決めるのではなく、こうした説が並んで伝えられていると受け止めるのがよさそうです。

昔の10月は、いまの11月ごろ

和風月名は旧暦の季節に結びついた名前なので、いまの暦の月に当てはめると、季節の感じ方が1か月から2か月ほどずれると「日本の暦」は書いています。二十四節気の表では、旧暦の10月に入るのは立冬と小雪で、いまの暦ではそれぞれ11月7日ごろと11月22日ごろです。10月24日ごろの霜降は、旧暦ではまだ9月の中気にあたります。冬の始まりを告げる立冬が入る月だったと考えると、神無月が冬の最初の月とされた理由も見えてきます。ちなみに、続く11月の霜月は「霜の降る月」と説明されており、冬に向かう季節の流れが月の名前にも表れています。

恵比寿講とえびす信仰

NDLイメージバンクは、恵比寿講は、神無月に八百万の神が出雲へ出かけている間、留守を守る恵比寿をねぎらうために始まったとされる、と紹介しています。恵比寿は、町では商いの神、農村では実りの神、漁村では大漁の神として信仰されてきました。江戸の商家では、あちこちの恵比寿にお参りする習わしが生まれ、店と家の繁栄を願って、親類や知り合いを招いてにぎやかに祝ったそうです。

国立国会図書館の「本の万華鏡」によると、七福神の筆頭として親しまれるえびすは、鯛と釣り竿を手にした姿のとおり、もともと漁の神として、漁師が大漁を願ってまつっていました。それがやがて、商家では商売の神、農家では田の神として広く信仰されるようになったと説明されています。浜に流れ着いた鯨や、拾った石などを「えびす」としてまつった地域もあったそうです。大阪府の今宮戎神社や兵庫県の西宮神社といったえびす神社には、大漁や商売の繁盛、五穀の実りを願って、各地から大勢の参拝者が訪れたと紹介されています。えびす講の日は地域によって違い、1月10日のものは「十日えびす」、10月20日や11月20日のものは俗に「二十日えびす」と呼ばれます。

10月17日の神嘗祭

神社本庁によると、伊勢神宮では、皇室の祖先とされる天照大御神にその年の新穀をささげる神嘗祭が行われ、各地の神社でもそれを祝う神嘗奉祝祭が開かれます。神嘗奉祝祭の日は10月17日です。神社本庁は、神嘗奉祝祭を、例祭や歳旦祭、新嘗祭などと並ぶ、毎年決まって行われるお祭りの一つに数えています。戦前は祭日の一つだったとも説明されています。国立天文台暦計算室の年表は、神嘗祭と新嘗祭はどちらも収穫を感謝する性格の祭日で、前者は伊勢神宮、後者は天皇家の祭日だと整理しています。神嘗祭の休日は、太陽暦に移ってしばらく9月17日でしたが、明治12年に10月17日へ改められました。旧暦と新しい暦の日付が1か月ほどずれるため、1か月遅らせた日に合わせたというのが年表の説明です。ちなみに明治6年の暦では、旧暦の九月十七日が新しい暦の11月6日にあたっていました。翌月の11月23日には、新穀の収穫に感謝する新嘗祭が続きます。

紅葉の頃

神無月のころは木々が色づく季節でもあり、江戸の人々は紅葉狩りに出かけました。名所として、江戸では品川の海晏寺や王子の滝野川、上方では京都の高雄や通天橋、奈良の龍田川が挙げられています。気象庁は、かえでの紅葉日を、観測用の木を全体として見たときに、ほとんどの葉が赤く変わった最初の日としています。観測に主に使われるいろはかえでは、東北地方の南部から九州地方の山地に自生する木で、紅葉の美しさから各地の公園や庭園にも植えられていると説明されています。1991年から2020年の平年値でみると、かえでの紅葉の便りは、11月30日までに関東地方などへ南下してきます。

まとめ

神無月は旧暦の10月の呼び名で、「無」を「の」と読んで神の月とする説と、神々が出雲へ集まって留守になるという説が伝えられています。もとの暦では立冬を含む冬の初めの月で、いまの11月ごろにあたります。この時期には恵比寿講や神嘗祭が行われ、江戸の人々は紅葉狩りも楽しんでいました。

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