11月の祝日「文化の日」「勤労感謝の日」の意味|祝日になる前の名前と由来
11月には、3日の文化の日と23日の勤労感謝の日という二つの祝日があります。休みの日としてはなじみがあっても、何を祝う日なのか、祝日になる前はどう呼ばれていたのかを説明するのは、意外と難しいかもしれません。ここでは、内閣府の「国民の祝日について」のページと国立天文台暦計算室の資料を中心に、文部科学省と神社本庁の説明も合わせて、二つの祝日の意味と成り立ちを整理します。各ページの内容は、2026年10月13日に確かめました。
祝日法が定める二つの祝日の意味
文化の日と勤労感謝の日は、どちらも昭和23年に祝日法ができたときに定められた9日の祝日に含まれています。条文では、文化の日の趣旨を「自由と平和を愛し、文化をすすめる」としています。勤労感謝の日の趣旨は、「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」です。内閣府の経緯のページは、この9日を選ぶ物差しとして、新憲法の趣旨に合うかどうかと、国民の多くがすんなり受け入れて加われるかどうかが示されたと伝えています。二つの祝日はどちらも日付で決まっていて、毎年同じ11月3日と11月23日です。
祝日法ができる前は、勅令で定められた年11の祝祭日が休日でした。そこでは、11月23日の新嘗祭は皇室の祭典の日である「祭日」に、11月3日の明治節は国と国民の恒例の祝い日である「祝日」に分けられていました。戦後、政府は祝祭日を政令で改めようとしましたが、国民の暮らしや気持ちに深く関わるので国会で決めるべきだという意見が出され、国会が法律をつくることになりました。
文化の日は、明治節から憲法の公布日へ
内閣府によると、祝日法ができる前の11月3日は、明治天皇の誕生日にちなむ祝日の「明治節」で、休日になっていました。国立天文台暦計算室の年表によると、明治天皇の誕生日は旧暦の嘉永5年九月二十二日で、太陽暦ではそれにあたる11月3日が天長節とされました。大正に入ると天長節は大正天皇の誕生日に移り、昭和2年の勅令で、11月3日が明治節として改めて加えられています。祝日法をつくる際には、11月3日は、日本国憲法が昭和21年に公布された日であり、戦争を放棄すると宣言した、国際的にも文化の面でも意味のある日であることから、平和と文化を進める意味を込めて「文化の日」と名づけたと説明されました。この説明は、昭和23年7月4日の参議院本会議で、文化委員長が行ったものです。
いまも文化の日には、毎年、宮中で文化勲章の親授式が行われています。また、文部科学省の公式サイトによると、11月1日から7日までは「教育・文化週間」です。期間中は各地で、体験の催しや公開講座、美術館や博物館を広く開く取り組みなどが行われると案内されています。同じページの令和7年の案内には、10月27日から11月9日までの読書週間や、11月1日から7日までの文化財保護強化週間など、この時期のほかの催しも並んでいました。神社本庁によると、各地の神社ではこの日に、明治天皇をたたえて国の隆昌や文化の振興を祈る明治祭が行われます。
勤労感謝の日は、新嘗祭の日から
11月23日は、祝日法ができる前は祭日の「新嘗祭」で休日とされ、暮らしの中でも、その年の新しい穀物に感謝する日でした。祝日法を検討する中では、この日を「新穀祭」や「新穀感謝の日」と名づける案も出されたそうです。内閣府は、勤労感謝の日を、昔からの収穫に感謝する習わしを受け継ぎながら、新しく感謝の日として設けた祝日だと説明しています。当時の報告書は、人が毎日暮らしていけるのは互いに助け合っているからで、ここでいう感謝とは、すべての人があらゆる生産と働きに感謝し合うことだと述べています。国立天文台暦計算室の年表も、新穀にかぎらず働くことすべてに感謝する日として位置づけています。
新嘗祭は、もともと旧暦の11月の2回目の卯の日に行われるものでした。太陽暦に切り替わった明治6年に、その年の11月の2回目の卯の日だった23日が採られ、以後は11月23日に固定されたと年表は記しています。一方、大正4年と昭和3年は、即位の礼にあわせた大嘗祭の年で、11月23日の新嘗祭が行われず、休日にもならなかったと書かれています。神社本庁によると、いまも11月23日には宮中で新嘗祭が行われ、それに合わせて全国の神社でも新穀の収穫に感謝するお祭りが開かれます。
2026年と2027年の11月の祝日
国立天文台の暦要項の日曜表で確かめると、2026年の文化の日は火曜日、勤労感謝の日は月曜日です。2027年は、文化の日が水曜日、勤労感謝の日が火曜日にあたります。どちらかが日曜日に重なる年は、祝日法の第3条第2項により、そのあとのいちばん近い平日が休日になります。二つの祝日は20日離れているため、祝日にはさまれた平日を休みにする第3条第3項の休日が、この間に生まれることはありません。祝日は法律の改正で変わることもあるので、先の予定を立てるときは内閣府の案内で確かめてください。
まとめ
文化の日は、明治節の日だった11月3日が、日本国憲法の公布日として平和と文化を進める日に改められた祝日です。勤労感謝の日は、新嘗祭の日だった11月23日に、収穫への感謝を生かしつつ、働くことすべてに感謝し合う意味を込めた祝日です。どちらも昭和23年の祝日法から続く、11月の大切な節目です。
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